左右対称にモノを配置することで実在しない鏡面を作り出す。水と油のランデブーを試みる。床下を走る列車に輪廻する生と死の旅をさせる…。物質の変化、イメージやスケールのトリップを用い、虚と実の狭間にありながら双方が矛盾なく合致する瞬間「臨界点=(クリティカルポイント)」を表出させるべく制作を続けてきた。
臨界点とは本来、物質の状態変化を指す言葉であるが、何故ボクはこうした臨界的状況に魅力を感じるようになったのか…。遡るとそれは、台風の夜の記憶に辿り着く。
雨戸をたたく強い風、いたるところが雨漏りした我家では、コップやタライも追いつかず。畳が上げられ縁の下が現れた。そしてついには停電。そんなときボクはいつもロウソク係だった。ロウソクに火をつけ、裏返したビールの王冠にロウを垂らし、そっと立てる。早すぎても遅すぎても上手くは立たない。
1982年から展開したロウ(パラフィンワックス)を使った「不確かなモノ、それらの臨界点にみる…」このWax workシリーズも、強ち台風の夜の記憶と無関係ではないだろう。普段見ることのない床下、揺らぐロウソクの炎、天井から落ちる雫、こうした情景をふと浮かべる時、自分の作品の原風景がそこにあるのでは…などと思うのだ。
臨界点とは本来、物質の状態変化を指す言葉であるが、何故ボクはこうした臨界的状況に魅力を感じるようになったのか…。遡るとそれは、台風の夜の記憶に辿り着く。
雨戸をたたく強い風、いたるところが雨漏りした我家では、コップやタライも追いつかず。畳が上げられ縁の下が現れた。そしてついには停電。そんなときボクはいつもロウソク係だった。ロウソクに火をつけ、裏返したビールの王冠にロウを垂らし、そっと立てる。早すぎても遅すぎても上手くは立たない。
1982年から展開したロウ(パラフィンワックス)を使った「不確かなモノ、それらの臨界点にみる…」このWax workシリーズも、強ち台風の夜の記憶と無関係ではないだろう。普段見ることのない床下、揺らぐロウソクの炎、天井から落ちる雫、こうした情景をふと浮かべる時、自分の作品の原風景がそこにあるのでは…などと思うのだ。
1957 | 名古屋市に生まれる | |
1975 | 愛知県立旭丘高校美術科卒業 | |
1977 | カリフォルニア美術工芸大学夏期セミナー参加 | |
1978 | 第1回北九州絵画ビエンナーレ(北九州市立美術館/北九州市)北壮会賞受賞 | |
1979 | 大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業 | |
1992 | アーバナート・コンペティション#1(パルコ/各店)パルコ賞受賞 | |
1995 | 第4回名古屋国際ビエンナーレ・アーテック ’ 95(名古屋市美術館/名古屋)招待出品 | |
1996 |
米国広報・文化交流庁主催の ’ 98 インターナショナル・ビジタープログラム 招待/アメリカ 米国広報・文化交流庁及びミッドアメリカ・アーツアライアンス主催 ’ 98インターナショナル・フェローシップを受けアーティスト イン レディデンス 招待 |
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1997 | The First Steps:Emerging Artists from Japan (Grey Art Gallery/ニューヨーク) |
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2001 | Contemporary Art from Japan:1980 until now (Kroller-muller museum/オランダ) |
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2005 | L gallery 開設 | |
2020 | 清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020 (岐阜県美術館/岐阜)入賞・審査員賞 福岡伸一賞受賞 |