あいちアートの森 豊田プロジェクト 知覚の扉-II
 豊田産業文化センター内 喜楽亭
 2010年2月20日[土]- 3月14日[日]
 素材:映像、和室、絞り機構、水石 、砂、LED、 など
 Cooperation:Eto Rika, Vamos Crew Co.,Ltd.











絞り機構 diaphragm






名古屋を拠点として優れた作品を展開してきた小島久弥。今展では、床の間に水石を置き、その床を海に見立て、日の出から日没、そして夜という実際の海景に取材した映像を投影しながら、緻密に計算された様々な演出がなされています。現実の喜楽亭の外の景色が反転した影として写りこんでいる闇の部屋に、夜の灯台、星が重なります。タイトルどおり、この一日を12分に短縮しながらも、実際にわれわれのいる時間と場にリンクさせ、二つの時間と空間の感覚をクロスさせた作品です。

天野 一夫 豊田市美術館チーフキュレーター



 

大正時代の料亭・喜楽亭を舞台に、虚である映像が実際のオブジェクトと関わるIN ⇆ OUTシリーズ『1/120』を発表。

日の出から日の入り、そしてまた日の出までの1日を12分に縮めた海景を、(岩に見立てた)水石の置かれた床の間に投影する。映像(虚)の太陽に照らされた、水石(実)の影が伸びる。やがて映像内の風景が昼を迎える時、展示空間に光が差し込む。窓枠にはめ込んだ絞り機構の開口部が、映像と連動し広がるのだ。明け透けなほどにさらされる「いま、ここ」。

しばらくすると開口部は再び閉じ、映像は夕刻から夜へと変化してゆく。床の間の淵に設えた、対岸の明りを模したLEDが点灯する。やがて再び夜明けを迎え、新たな今日「1/120」が繰り返される。また、展示空間そのものがカメラ・オブスキュラとなり、外の風景がさかさまに映り込む。その像は時間や天気によっても変化をみせる。

日本家屋という場を活かしながら、ダイナミック且つ繊細な映像インスタレーションとなった。